黒炭こたろうたびにっき

ことのは

2008年09月25日 04:07


『くろずみ小太郎旅日記 おろち退治の巻』 飯野和好 クレヨンハウス

昔(むかーし)この国に
まだ忍術使いが
たくさんいたころの
お話です
黒炭小太郎という
ひとりの若者が
旅をして
おりました
(本文より)



旅はよいもの、見知らぬところでいろいろと出会いがあります。さて、ここで登場したくろねずみ小太郎は炭ですが、忍術を修業したのでりっぱで愉快な炭です。炭というのは、あの焼きとり屋さんが団扇でパタパタ火を起こしたり、バーベキューに使ったり、水をきれいにしたりと用途の広いクラシックな燃料です。私の子どもの頃、家ではその炭焼きを冬の農閑期にやっていました。いく日も山間から登る炭焼きの煙は白だったり青だったり、とてもきれいだったですね。出来上がった炭は萩の俵に入れられてガサゴソと車で町まで運ばれて行きました。峠道をガサゴソゆられている炭達、いいですね。それから、いろりがありまして夜なべ仕事が終わると祖父が火ばしでいろりの灰の上にまっ赤な炭火をいくつも立てて、これは何の神様これは何の神様とぶつぶつ言いながらきせるでたばこをやっていたのを覚えています。小太郎が話の中で使うたどんは、炭の粉を練って丸めたものでやはり昔からの燃料です。忍者は煙玉ですが、小太郎はたどんでいろいろと難を逃れたりします。このお話のヒントになっているのは、内容はちょっと違いますが「夏の医者」という落語です。そちらも是非お楽しみください。 
飯野和好 (あとがきより抜粋)



『ねぎぼうずのあさたろう』と併せ技でどうぞ!
それにしても「たどん」を炭ボールって・・・飯野さん、いいわ~。
以前、『ねぎぼうずのあさたろう』を演って(読んで)くださったのを拝見しましたけれど、いい年の重ね方をされていると感じました。会話の中に、笑いのエッセンスが絶妙に散りばめられてます。
 

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